京都大学 大学院理学研究科 有賀哲也 教授と光物性研究室 OB の矢治光一郎 研究員、当研究室の木村昭夫 准教授との共同研究により、磁石を使わずに電子のスピン状態を識別することができる半導体表面を作製することに成功した。本研究グループは、ゲルマニウム結晶の上に鉛の単原子層を付加した表面が、電流中の電子スピンを特定の方向に揃える性質を有することを明らかにし、電子スピンを磁場を使わずに電圧だけで制御できることを示した。本結果は、超低消費電力の半導体素子の実現につながる成果である。
実験は当研究室と広島大学放射光科学研究センターが共同で研究開発を行ってきたスピン分解角度分解光電子分高装置を用いて行った。
研究成果は英国の科学雑誌『Nature Communications』の 5 月 17 日のオンライン版で公開された。
Nature Communications
原著論文 :K. Yaji et al., Nature Commun. 1, 17 (2010)
プレス発表:電子スピンの向きを揃える半導体表面の作製に成功
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